その他の分析測定
食品細菌検査、クリプトスポリジウム、嫌気性芽胞菌の検査を行っています。
1. 食品細菌検査
食品中の衛生指標菌や食中毒に関わる細菌の検査を行います。食品の汚染の度合いや病原菌の有無を推測することができます。
当センターでは以下の項目の検査を行っております。
一般細菌数(生菌数)、大腸菌(定性)、大腸菌群(定性)、大腸菌群数、大腸菌群数(E.coli)、腸管出血性大腸菌O-157、黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌、腸炎ビブリオ、ウエルシュ菌、腸球菌、レジオネラ属菌、酵母、かび、カンピロバクター属菌、緑膿菌
2. クリプトスポリジウム・ジアルジアの検査
クリプトスポリジウムおよびジアルジアは、人間や哺乳動物(ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等)の消化管内で増殖して糞便に混じって環境中に排出され、経口摂取によって感染する病原微生物です。感染力が非常に強く、罹患すると下痢、腹痛、悪心等の症状が表れます。耐塩素性が高い為、浄水過程の塩素消毒では不活化できません。
厚労省からは平成19年3月に水道におけるクリプトスポリジウム等の対策について、「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」が通知されました。
検査では、試薬によって蛍光染色させたクリプトスポリジウム及びジアルジアを落射蛍光顕微鏡で観察します。検水中に発見した場合には微分干渉像の観察に進捗し、立体的に観察することによって判定します。
当センターの検査担当者は(一社)全国給水衛生検査協会が行うクリプトスポリジウム実務者研修会を修了しており、同協会が実施するセカンドオピニオンを利用する資格を有しています。
3. 嫌気性芽胞菌(ウェルシュ菌芽胞)
嫌気性芽胞菌は動物やヒトの腸管内に常在しており、宿主には無害ですが、その中の一部に毒素生産型の個体があり、初感染すると食中毒等の症状を引き起こす場合があります。塩素抵抗性が強く、糞便性指標と消毒効果指標を合わせた指標性を持っています。また、クリプトスポリジウム等の指標菌として大腸菌と共に有効です。
検査では、嫌気性芽胞菌を嫌気状態で培地上にて培養した後、形成された集落数を計数し、これを基にして菌数を算出します。
培地上に形成された嫌気性芽胞菌の集落